今月のカクテル
旬のリンゴで楽しむオータムカクテル6選

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旬のリンゴで楽しむオータムカクテル6選

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提供:DRINK PLANET編集部

10月といえばリンゴの最盛期。

リンゴは単なる甘酸っぱい果実ではありません。果汁、ピューレ、発酵酒、蒸留酒、そしてクラリファイドジュースへと姿を変え、その都度カクテルに異なる表情を与える“大人の素材”。

今月は、そのリンゴが持つ多面性を探りながら、6つの提案を紹介します。

Jack Rose (出典:Drink Calvados 公式サイト「Jack Rose」動画より)

Jack Rose (出典:Drink Calvados 公式サイト「Jack Rose」動画より)

ジャック・ローズ

リンゴのカクテルを語る上で外せない一杯。
アップルジャックやカルヴァドスをベースに、レモンジュースとグレナデンを合わせたシンプルな構成です。

20世紀初頭に誕生したとされ、1910年代のニューヨークで人気を獲得。1920年代には全米に広まり、ヘミングウェイやスタインベックら作家にも愛されたことで知られます。

起源には諸説あります。
1905年、ニュージャージー州のバーテンダー Frank J. May は、当時“Jack Rose”という愛称で呼ばれており、自らこの人気カクテルの発明者だと Police Gazette に広告を出したとか。
また、最初に記録されたレシピは1908年の Jack’s Manual で、ラズベリーシロップやレモン、オレンジ、ライム、サイダーブランデーを使った複雑な構成だったようです。

名前の由来についても諸説あります。
グレナデンが生み出すバラ色にちなむ説や、ニュージャージーのバーテンダーのニックネームに由来する説。さらには、当時ニューヨークで悪名を馳せたギャング“Bald Jack Rose”の名を取ったという説まであって、バーの小話として語り継がれているようです。

どの説が真実かは定かではありませんが、このカクテルがアップルジャックの存在感をクラシックの世界に確立させたことは確かでしょう。

時代を彩ったアップルカクテル(出展: https://www.diffordsguide.com/)

時代を彩ったアップルカクテル(出展: https://www.diffordsguide.com/)

時代を映すアップルカクテル

リンゴを主役に据えたカクテルは、ジャック・ローズに限りません。
時代やスタイルを象徴する代表的な一杯がいくつも存在します。

Washington Apple(ワシントン・アップル)
1980年代後期、ワシントン州のリンゴ産業の苦境を背景に生まれたとされる逸話を持つ一杯。カナディアンウィスキーをベースに、サワーアップルリキュールとクランベリージュースを合わせる構成は、1990年代〜2000年代にかけてパーティーシーンで人気を博しました。
伝承の真偽は定かではありませんが、「売れないリンゴをリキュールに昇華させた」という物語性が、このカクテルの魅力の一部となっています。

Appletini / Sour Apple Martini(アップルティーニ / サワー・アップル・マティーニ)
1996年7月4日、ロサンゼルスのバー「Lola’s」で誕生。当初は “Adam’s Apple Martini” と呼ばれていましたが、ほどなく “Appletini” へと簡略化。
ウオッカとサワーアップルリキュールを中心とした鮮やかなグリーンの一杯は、90年代後半から2000年代初頭のカルチャーを象徴する存在となりました。
90年代以降のアイコン的存在となり、リンゴをモダンに再定義したコンテンポラリー・クラシックの代表格。

Apple Business(アップル・ビジネス)
2017年、ニューヨークのバーテンダー Theo Lieberman が考案したレシピを由来とする現代的カクテル。ジンとフレッシュアップルジュース、ライム、ハニーシロップの組み合わせは、クラシック「Bee’s Knees」を発展させた構成。フレッシュジュースを活用したモダンなリンゴ表現の好例として、クラフトカクテルの潮流を映し出しています。

リンゴの多面性

リンゴの表現で近年注目されるのがクラリファイドジュース。
透明な外観と澄んだ味わいは、ベーススピリッツの個性を邪魔せず、香りだけをすっと立ち上がらせ、新しい可能性をもたらします。

フレッシュ果汁は酸味を、ピューレはテクスチャーを、シードルは発酵感を、カルヴァドスは熟成香を与える。これらを自在に組み合わせることで、リンゴは“階層的な表現”へと昇華される素材になります。

さらにアップルビネガーやシュラブなどノンアルコール領域でも活用が広がり、大人が楽しめる酸味や複雑さを引き出せる点で、時代性とも合致しています。

焼きリンゴの芳ばしさや、熟成を思わせる奥行きまで含めれば、リンゴはまさに“実験の宝庫”。
ここからは、その多面性を活かした3つのレシピをご紹介します。

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提案1. Clarified Apple Spritzer / クラリファイド・アップルスプリッツァー
60ml アップルクラリファイドジュース
30ml ドライジン
30ml 白ワイン(辛口)
適量  ソーダ
Garnish:リンゴスライス+タイム
◆ポイント:
クラリファイドジュースの透明感を活かした、クリアで端正なスプリッツァー。果実味を抑え、香りの余韻を前面に。

提案2. Smoky Calvados Highball / カルヴァドス・スモーキーハイボール
60ml カルヴァドス(VSOP)
1本  スモークしたシナモンスティック
適量 ソーダ
Garnish:焼きリンゴチップ
◆ポイント:
果実味豊かなカルヴァドスをソーダで伸ばし、燻香をプラス。シンプルながら存在感のあるロングスタイル。

提案3. Apple Miso Sour / アップル・ミソ・サワー
30ml アップルピューレ
40ml バーボン
15ml 白味噌シロップ
20ml レモンジュース
1個分 卵白
Garnish:シナモンパウダー
◆ポイント:
アップルの酸味と白味噌の塩味が交わるサワー。発酵のニュアンスがバーボンのウッディさを引き立てる一杯。
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リンゴはただの季節素材ではなく、文化と技術の両面で厚みを持つ果実。
クラシックを再構築するのか、最新技法で挑むのか。
リンゴをどう使うかで、バーの一杯は確実に変わります。

今月のカクテル

トップ画像は、リンゴの多面性を生かした洗練されたカクテル3点をご紹介!

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■カクテル名 / バーテンダー名: THE ORCHARD オーチャード by Masahiro Urushido/マサ・ウルシドさん
バー名: Saxon + Parole(取材当時)/NY
自家製サイダーシロップとアップルビターズが効いた一杯
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■カクテル名 / バーテンダー名: AOMORI SAZERAC 青森サゼラック by Kubo Toshiyuki/久保俊之さん
バー名: ark Lounge&Bar/青森
アップルブランデーに、自家製カシスリキュールを重ねた、果実の奥行きを楽しむ一杯
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■カクテル名 / バーテンダー名: Apple アップル by Chris Moore/クリス・ムーアさん
バー名: COUPETTE/ロンドン
カルヴァドスとリンゴ、たった2つの素材で魅せるシンプル&エレガントな一杯
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