
SPECIAL FEATURE特別取材
シリーズ連載/英国ドリンク事情
[vol.04] -
英国産ミキサーブランド
「フィーバーツリー」はこう使う!
#Special Feature
文:Drink Planet編集部
フィーバーツリー ブランドアンバサダーの深水稔大さん。
英国のスピリッツ&ビバレッジ事情を、10回に渡ってお届けする特別連載シリーズ。
第4回のテーマは、英国産のミキサー(割材)です。
英国産のウイスキーやジン、スパークリングワインと並んで、実は英国産のミキサーも世界的に高い評価を受けています。
その代名詞的ブランドであり、プレミアムミキサーというカテゴリーを確立したのが、2004年にロンドンで創業した「フィーバーツリー」です。
今や日本のバー業界でも知らない人はいないと思いますが、実は日本のメディアではDrink Planetがいち早く「フィーバーツリー」を紹介していたんですよ!
(その時の記事はこちら)
今回はそんな「フィーバーツリー」の特長や上手な使い方を、株式会社HUGEのコーポレートバーテンダーであり、「フィーバーツリー」のブランドアンバサダーを務める深水稔大さんに聞いてみました。
日本で展開される全6種類の「フィーバーツリー」。
ロングドリンクの出来は、ミキサー次第!?
「『フィーバーツリー』のキャッチコピーに『If 3/4 of your drink is the mixer, mix with the best』というものがあります。これは簡単に翻訳すると『ドリンクの3/4がミキサーだとしたら、当然ベストなミキサーを選ぶべき』という意味です」と深水さん。
例えば、ジントニックであれば、グラスの3/4はトニックウォーターが占めるはず。
せっかく、こだわった上質なジンを使っても、グラスの3/4を占めるトニックウォーターがヒドいものだったら、そのジントニックは台無しになってしまいます。
まさに「フィーバーツリー」の創業者チャールズ・ロールズさんとティム・ワリローさんも、プレミアムジンに見合った質の高いトニックウォーターがない、という悩みに直面していました。
そこで「だったら自分たちの手で、プレミアムトニックォーターをつくってしまおう」と決意したのです。
それが2003年のことでした。
(詳しくはDrinkPlantの過去記事へ)
その後創業者のチャールズさんとティムさんは理想のトニックウォーターを求め、アフリカや中南米を旅し、そこで出会った天然原料を使って、2005年に「フィーバーツリー プレミアムトニックウォーター」をリリースしたのです。
添加物不使用のプレミアムミキサー!
今や世界70カ国以上に輸出されるまでに有名になった「フィーバーツリー」ですが、その特長を深水さんはこう説明してくれました。
「人工香料、人工甘味料、保存料を一切使用していない無添加。つまりはオールナチュラル、ということです」
深水さんによれば、最近では日本でもミキサーとして「フィーバーツリー」を指定してくる意識の高いゲストが増えたのだとか。
ヘルスコンシャスやウェルネスが盛んに叫ばれるようになった今、ゲストが求めているものを敏感にキャッチして対応していくことも、バーテンダーや飲食業界関係者に必要なことなのかもしれませんね。
現在、日本で正規に輸入されている「フィーバーツリー」のラインナップは6種類。
ブランド創業のきっかけとなった「プレミム トニックウォーター」、ローズマリーやタイムを効かせた「メディタレーニアン トニックウォーター」、手摘みの英国産エルダーフラワーを使用した「エルダーフラワー トニックウォーター」、3種類の生姜を24時間煮出した「プレミアム ジンジャービア」、天然素材と3種類の生姜のエッセンスのみでつくった「プレミアム ジンジャーエール」、英国スタッフォードシャーの軟水を使用した「プレミアム ソーダ」です。
実は本拠地の英国には、「シチリア産レモン トニックウォーター」や「キューカンバー トニックォーター」「アロマティック トニックウォーター」など、さらにバリエーションがあって、現在もさらなる新商品の開発に余念がないのだとか。
それだけ英国産のプレミアムミキサーが、世界的に需要があり、同時に高く評価されている証といえそうです。
コーヒー業界では世界的に人気の「エスプレッソ・トニック」。
コーヒーをトニックで割る、という新発想!
「『フィーバーツリー』はもともとアルコールの割材として開発されたのですが、それぞれの商品はそのまま単体のドリンクとして飲んでもおいしいですし、ノンアルコールドリンクの材料のひとつとしても活躍してくれます」
そう話しながら深水さんが手際よく作ってくれたのは「エスプレッソ・トニック」。
世界的なプレミアムコーヒーブームのなか、コーヒー豆にこだわったエスプレッソを上質なトニックウォーターで割って飲むのが、ちょっとしたトレンドなのだそうです。
なんでも、北欧のカフェからはじまり、サードウェーブコーヒーブームの波とともに、アメリカやオーストラリアにも広がったのだとか。
「コーヒーとトニックと聞くと意外に思われる方もいるかもしれませんが、コーヒー豆の酸味と焙煎による苦味、これに『フィーバーツリー プレミアム トニックウォーター』のキナの木由来の苦味やビターオレンジのコク、ナチュラルな甘味がキレイにマッチするんです」
材料は、エスプレッソとトニックウォーターの他に、深水さんはよりコーヒーの輪郭をはっきりさせるために、自家製ハイビスカスシロップを少量加えているそうです。
「コーヒーをトニックで割る、という発想はひと昔前までならこんなに受け入れられなかったかもしれません。サードウェーブ系コーヒーの出現とともに、『フィーバーツリー』が出現したことも大きく影響していると思います。英国生まれの『フィーバーツリー』ゆえに、英国の紅茶と合わせてみるのも面白いかもしれません」
「メディタレーニアン トニックウォーター」でつくった「ジントニック」のパッションフルーツバージョン。
トニックウォーターも選べる時代に!
続いて深水さんが作ってくれたのは、「ジントニック」のパッションフルーツアレンジ。
こちらは、あえて「プレミアム トニックウォーター」ではなく「メディタレーニアン トニックウォーター」で割ったのだそうです。
「もちろん『プレミアム トニックウォーター』でもおいしく仕上がるのですが、レモンタイムやローズマリーが効いた『メディタレーニアン』で割ることで、よりハーバル感が出て、夏っぽい印象になります。同じジンを使用しても、違ったトニックウォーターで割るだけで、その印象はだいぶ変わってきます」
バーテンダー側から、トニックウォーターにも種類があって、好みで選べることを提案すれば、「ジントニック」の楽しみ方はもっと大きく広がるはずです。
ゲストにトニックウォーターを選んでもらう、というアプローチ。
これもラインナップが豊富な「フィーバーツリー」だからできることといえそうです。
「最初にもいいましたが、グラスの3/4を占めるミキサーに着目すると、さらに新しいカクテルの世界が広がります。『フィーバーツリー』の本場英国ではそうした楽しみ方がだいぶ浸透してきているので、日本の皆さまにももっとお伝えしていきたいです」
ちなみに、日本に正規輸入されている英国産ミキサーとしては「フェンティマンス」や「フランクリン」といったブランドも挙げられます。
いろいろと飲み比べてみることで、英国バーシーンの奥深さの一端に触れられるかもしれません。
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