
SPECIAL FEATURE特別取材
2013 サントリー ザ・カクテル アワード
「副賞NYカクテルの旅」レポート!!
[vol.03] -
聖地ケンタッキー州ルイヴィル!
ジムビームとメーカーズマークへ。
#Special Feature
文:Drink Planet編集部
【2月20日(木)】
この日の午前中は、ようやく一息つけるフリータイム。
この旅最後のニューヨークをそれぞれに満喫しました。
そして午後には、ニューアーク空港からケンタッキー州ルイヴィルへ移動。
そう、あのバーボンの聖地、ルイヴィルです。
ニューヨークとは打って変わってルイヴィルの気温は20℃。
夜になると気温はぐんと下がるのですが、同じアメリカであるニューヨークとの温度差、そしてケンタッキーにおける昼夜の寒暖の差をダイレクトに肌で感じました。
夕食はルイヴィルでは珍しい都会的なバー「Maker’s Mark Bourbon House & Lounge」にて食事を取りながら、メーカーズマークでつくったミントジュレップを!
吉富さん曰く「ルイヴィルに移動すると、食事の味付けやボリュームがぐっとへヴィーになりました。この場所でバーボンが生まれた理由がなんとなくわかるような気がしました。もちろんこうしたケンタッキーの料理には、バーボンやバーボンカクテルがよく合いましたね」。
食後は21センチュリー・ミュージアムホテル内にあるバー「Proof on Main」へ移動し、翌日訪れる予定のジムビームのテイスティングセットで飲み比べを楽しみました。
よく「お酒はつくられたその場所で飲むのが一番おいしい」といわれますが、3人もそれを実感していたようでした。
翌日は、この旅のもうひとつのお楽しみ、バーボンの蒸溜所訪問です。
ジムビーム蒸溜所にて。
【2月21日(金)】
この日は朝から晴天で、ケンタッキーらしい美しい青空のもと、印象的な赤い建物が際立つジムビーム蒸溜所を訪れました。
近代的な設備のなか大量に生産されるジムビーム。10階建てのウェアハウスにはジムビームの原酒樽がびっしり並んでいます。
「とにかくスケールが巨大でしたね。世界No.1バーボンという意味がひと目でわかりました」と吉富さん。
3人は、ライ麦やコーンといった原料の投入、樽詰め、樽出しなどを体験。さらにはボトルをウイスキーでリンスしてからラインへ戻し、自分専用のラベルを貼り付けました。これは、よい記念となったに違いありません。
また蒸溜所内の展示コーナーには、過去にジムビームが発売した陶器の記念ボトルが勢ぞろい!
「おお、こんなのもあるの!」と3人は珍しい陶器を前に大はしゃぎです。
日本のトップバーテンダー3人は、現地を訪れることでジムビームの持つブランド価値を改めて再認識したようです。
メーカーズマーク蒸溜所にて。
午後は車で30分ほど移動して、メーカーズマーク蒸溜所へ。
こちらはジムビームとは異なる佇まいで、建物はオールブラック。非常に落ち着いたシックな雰囲気です。
出迎えてくれたのは、蒸溜所のOBであり、現在はボランティアで案内係を務めるデイブ氏。
まずは製造の流れについて大まかな説明を受けます。
デイブ氏はこんな風に話してくれました。
「メーカーズマークの特長ともいえる、スイート&スムースな味わいを生み出すのに重要な役割を担うのが、原料のひとつ、冬小麦です。通常のバーボン蒸溜所はハンマーミルで原料を粉砕しますが、メーカーズマークでは原料の焦げ付きを防ぐためにローラーミルで丁寧に粉砕します。こうすることで、冬小麦の麦芽から苦みを出すことなく、スイート&スムースな味わいに繋がるのです」
糖化液をつくる工程でも強い圧力はかけず、発酵は昔ながらの木樽で3日間かけて行うそうです。
「そうそう、使用している酵母はサミュエル家直伝のものなんですよ」
メーカーズマーク蒸溜所のディッピング風景。
ここで、マスターブレンダーのグレック・デイビス氏と最高責任者のロブ・サミュエルス氏(ビル・サミュエルス名誉会長の子息)にも会うことができました。
続いて、古い輪転機で印刷するハンドメイドのラベル貼りや、メーカーズマークのシンボルともいえる赤い封蝋のディッピング作業(熟練スタッフによる手作業!)、1870年代に建てられたというウェアハウスを見学しました。
テイスティングをした後は、自らの手で赤い封蝋のディッピング!
大切な人に大切な手紙やプレゼントを贈るような気持ちが、メーカーズマークの1本1本に込められていることを、3人は間違いなく実感したことでしょう。
「普段なにげなくお客様にお出ししていたジムビームやメーカーズマークですが、実際に蒸留所を訪れたことで、その丁寧なつくり方や現場の雰囲気、いかに愛情が込められているかを改めて知ることができました。これからは現地でのエピソードも交えながら、ジムビームやメーカーズマークをお出ししたいですね。きっとお客様にも楽しんでいただけると思います」
【2月22日(土)】
3人は早朝にホテルを出発し、シカゴを経由して帰国の途へ。翌23日(日)には無事、成田空港に到着しました。
もちろんこの頃には、3人のバーテンダーは固い絆で結ばれていました。現在もメールやフェイスブックなどを通じて、頻繁に情報交換をしているそうです。
最後に、吉富さんにこの旅を振り返ってもらいました。
「これまでも、書籍やネットなどを使ってさまざまな情報を得て、自分なりのものにしてきたつもりでいました。でも、やっぱり自分の目で見て、生で感じることは、情報の質が違いますね。今回の旅で、今まで見えなかったものがはっきりと見えました」
「例えば、個人で海外のバーを訪れることはできても、実際にバーカウンターに入ってカクテルをつくるなんていう経験はなかなかできませんよね。ですから一緒に行った2人とも『これはラッキーだね!』と話していました」
「バーテンダーにとって『サントリー ザ・カクテル アワード』で優勝することは非常に名誉なことです。もうそれだけで満足だったんですが、こんな副賞があるなんて、うれしい驚きでした。このツアーに参加できることを目標に『サントリー ザ・カクテル アワード』に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。得るものは、ものすごく大きいですから」
今年もいよいよ「サントリー ザ・カクテル アワード」のエントリーがはじまりました。
2014年はどんなコンペティションが繰り広げられるのでしょうか?
そしてその副賞として、どんなカクテル アワードツアーが待っているのでしょうか?
今年の応募受付開始は6月10日から、締切りは7月31日!
アナタも「サントリー ザ・カクテル アワード」にチャレンジして、このスペシャルな体験を手に入れてください!