
SPECIAL FEATURE特別取材
2013 サントリー ザ・カクテル アワード
「副賞NYカクテルの旅」レポート!!
[vol.02] -
NYのトップバーテンダーたちを前に、
カクテル アワード受賞カクテルを披露!
#Special Feature
文:Drink Planet編集部
さて、買い物の後は、この「NYカクテルの旅」におけるメインイベントを行うために、日本人バーテンダーのマサ・ウルシド氏がオーナーの人気店「The Daily」に向かいました。
3人はここで「2013サントリー ザ・カクテル アワード」で各部門の最優秀賞を受賞したオリジナルカクテルをそれぞれ披露するのです。
しかも、イベントに駆けつけるバーテンダーは、ニューヨークきってのトップバーテンダーたち。
昨日は会えなかった「PDT」のジム・ミーハン氏や、ケンタ・ゴトウ氏、ミシュラン三つ星店「Le Bernardin」のブライアン・マシューズ氏、NY最高峰のホテルバー「The NoMad Hotel」のドミニク・ヴェネガス氏、そしてサントリーウイスキーアンバサダーのガードナー・ダン氏などなど、錚々たる顔ぶれ。
完全アウェイで、かなりのプレッシャーのはずです!
吉富さんが即興でつくった「蛙」のガーニッシュ。
16時にイベントスタート。
まずはオーナーバーテンダーであるマサ氏が、ジャパニーズウイスキー「白州」を使ったパンチカクテルをゲストに振る舞いました。
続いて、サントリーウイスキーアンバサダーのガードナー氏が、吉富さんを筆頭に受賞者3名を紹介しました。
この頃には、会場となった「The Daily」はニューヨークのバーテンダーたちで超満員。日本人バーテンダーのパフォーマンスを一目見ようと熱いまなざしがカウンターに注がれました。
花田さん→長塩さん→吉富さんの順番で受賞カクテルをメイク!
すると来場していたバーテンダーたちも創作意欲を刺激されたのか、次々とバーカウンターの中に乱入し、いつのまにやらカクテルセッションに!
2時間半のカクテルセッションの最後には、再び吉富さんがカウンターに招き入れられて、即興でカクテルを披露する流れになりました。
吉富さんはカウンターにあったきゅうりを手に取り、あっという間に「蛙」のガーニッシュを作成。
さらにはきゅうりを使ったラムベース・カクテルをつくり、最後に「蛙」を池に飛び込ませるようなイメージでカクテルの上に浮かばせると、会場からは「ブラボー!」の声が上がりました。
吉富さんはこう感想を述べてくれました。
「会場に入って、日本のコンペティションで披露したパフォーマンスにも増して、身振りや手振り、ユーモアを交えて、場の空気を摑むことが必要だと考えました」
「本来こういったセッションは得意ではないのですが、とっさにやってみたところ、いいレスポンスが返ってきてうれしかったです。言葉が通じなくても、バーテンダー同志は分かり合える部分がたくさんあるんだなと改めて感じました」
「このセッションは自信にもなったし、いい刺激にもなりました。ただニューヨークのバーを訪れるだけでなく、こうした交流のチャンスをいただけるのは、カクテル アワードのツアーだからこそだと思います」
「Cocktail Kingdom」にて。
【2月19日(水)】
あいにくの雨のなか、この日は「Cocktail Kingdom」のオフィスを特別訪問。
同店は、ニューヨークはもちろん、全米で知られるバーツールや希少なビターズを扱うオンラインショップです。
「これは予定にはなかったのですが、我々がバーツールを扱う店に行きたいとリクエストしたところ、サントリーウイスキーアンバサダーのガードナーが特別にアレンジしてくれたのです。こういうのもカクテル アワードのツアーならではですね」と吉富さん。
というワケで、オーナーのグレッグ・ボエム氏が所有する、普段はまず見ることができない1870年代のカクテルツールや、ジェリー・トーマスのカクテルブックの初版本といった貴重なコレクションを見せてもらいました。
グレッグ氏は「日本での展開も考えている」とのことなので、今後の動向は要チェックです。
「Dead Rabbit」のメニューブック。
夕方になると、Tales of the Cocktailで2013 World Best Barに選ばれた「Dead Rabbit」へ。
(こちらもどりぷらで紹介してます!)
3人は「Dead Rabbit」名物のパンチカクテルで乾杯しながら、バックバーに並ぶビターズの種類の多さにあらためて驚愕!
またサーブされるカクテル同様、メニューブックの凝った演出にも感心させられました。
(なんとメニューブックは、書籍として店で販売されている!)
その後、午後に訪れた「Cocktail Kingdom」がプロデュースするイーストビレッジの「Golden Cadillac」へ。
オーナーのグレッグ氏がこだわる1870年代をイメージした店だけに、クラッシックカクテルのツイストをそれぞれ楽しみました。
吉富さん曰く「ニューヨークで行きたかったバーはほぼすべて回れました。なかなか個人旅行では体験できないことばかりで、このツアーに参加できるなら、もう一回コンペに挑戦したいくらいです(笑)」。