
SPECIAL FEATURE特別取材
【スペシャルレポート】
アジア初開催!
「ビーフィーター ジンカレッジ」とは!?
[vol.01] -
第一部は試験からのセミナー、
ジンのブレンド、さらには飲み比べ!
#Special Feature
文:Drink Planet編集部
「ジンカレッジ」開催前にウェルカムカクテルとブリティッシュランチで談笑。
ビーフィーター グローバル バーテンダー コンペティション(通称BEEFEATER MIXLDN)日本大会の前日に当たる2016年11月26日(土)、アグネスホテル東京にて、「ビーフィーター ジンカレッジ(BEEFEATER GIN COLLEGE)」が開催されました。
「ビーフィーター ジンカレッジ」は、ビーフィーターが主催するジンに特化したバーテンダー向けのトレーニングプログラム。
ビーフィーターのみならず、ジンの奥深い世界を少しでも多くの人に知ってもらいたい、というコンセプトのもとにスタートしたプログラムです。
ジン業界のレジェンド、デズモンド・ペイン氏。
講師を務めるのは、ビーフィーター蒸溜所のマスターディスティラー(蒸溜最高責任者)、デズモンド・ペイン氏。
2017年でジンを造り始めて50年という、ジン業界の生きるレジェンドです。
ペイン氏は「ジンカレッジ」について、こんな風に説明してくれました。
「第1回はロンドンのバーテンダーを集めて実験的に開催しました。2014年のことです。これが好評だったので、内容をもう少しブラッシュアップして、これまでにドイツ、アメリカ、メキシコ、ポルトガル、ブルガリア、ギリシアで開催してきました。今回はアジア初開催。勉強熱心なバーテンダーが多い日本で開催できることを嬉しく思います」
「『ジンカレッジ』はよくある受け身のブランドセミナーではありません。受講者が自ら手を動かす参加型のワークショップです。ジンの勉強というよりは、ジンを使った理科の実験といったイメージです。決して難しいものではないので、楽しんで受講してください!」
今回の「ジンカレッジ」には、BEEFEATER MIXLDN日本大会のファイナリスト8名、それに受講を希望し当選したバーテンダー約30名が集まりました。
プログラムはトータル約4時間という長丁場。
大きく第一部と第二部に分かれています。
では早速、第一部からスタート!
スマートフォンを使って解答するジンの試験。
第一部が幕開けすると、なんといきなりジンの試験が課せられました。
これはスマートフォンを使って解答するのですが、問題はこんな感じです。
Q ジン・クレイズ(18世紀、英国でのジンの大流行)を最もよく表している芸術作品は?
Q ビーフィーター ロンドン ドライジンに使用されているボタニカルは何種類?
Q ビーフィーター創業者ジェームス・バローが創業前にカナダでしていた仕事は?
どうです? お分かりになりましたか?(実際は五択問題です)
こんな問題が15問ほど出題されました。
とはいえ、コチラは得点を競うものではありませんので、ご安心を!
続いて、ペイン氏からジンの歴史やビーフィーターの歴史、製造工程などの解説がありました。
ペイン氏の話す内容がそのまま先ほどの試験の解答になっているので、ついつい聞き入ってしまいます。
詳しい内容はここでは割愛しますが、ざっとこんな内容でした。
ヨーロッパにおける蒸溜酒の歴史、オランダからイギリスにジンが伝わった経緯、18世紀イギリスでのジンの大流行について、ビーフィーター蒸溜所の歴史と変遷、ジンとロンドン ドライジンの定義、ビーフィーター蒸溜所の日常、ビーフィーター各商品の開発秘話、などなど。
オフィシャルには語られていない、ペイン氏ならではの裏話も盛りだくさんでした。
「えっ、それ知りたい!」という方は、ぜひ次回の「ジンカレッジ」を受講してください!
ジンのブレンド実験のワンシーン。
続いて行われたのは「Blend Your Own Gin」、つまりはジンのブレンド実験です。
テーブルに用意された中性アルコール、それにジュニパーベリー、アンジェリカ、コリアンダー、オレンジという4種類のエッセンシャルオイルを加えて、自分好みのジンをブレンドするのです。
ペイン氏はこう語ります。
「各エッセンシャルオイルは成分が凝縮しているので、1滴加えただけでも大きく味が変わります。ジンの味わいの骨格はジュニパーベリーですから、ジュニパーを多く加えるとヘヴィーな印象に、少なくするとライトな印象になります。あとは自分がどんなジンを造りたいかを想像してください。柑橘系なのか、スイートなのか、クリスプ系なのか、複雑な味わいなのか。正解はありませんので、自由に試してみましょう」
この実験は3名1組で行います。
お互い面識のなかったバーテンダー同士も、ここで一気に打ち解けたようでした!
各チームとも、エッセンシャルオイルの香りと味わいを確認しながら、中性アルコールにエッセンシャルオイルを垂らしてブレンドしていきます。
ジュニパー●滴、アンジェリカ●滴、コリアンダー●滴、オレンジ●滴、といった具合にデータを発表し、それぞれのジンをペイン氏がひとつずつ試飲し、コメントしていきます。
各ボタニカルの香りや味を試す機会はあるものの、ジンを自分でブレンドする機会はなかなかありません。
受講者は実際に自らブレンドすることで、ジンの味わいがどのようなバランスで成り立っているのかを肌で感じることができたのではないでしょうか。
ペイン氏は時に各テーブルをまわって講義を行った。
ジンの味わいの成り立ちを理解したところで、プログラムは「Comparative Gin Tasting(ジンの飲み比べ)」へと進みます。
対象となるジンは、ビーフィーター、タンカレー、ボンベイ・サファイヤ、ゴードン、ビーフィーター24、ヘンドリックスの6種類。
これらのジンを飲み比べながら、ペイン氏がテイスティングコメントやそれぞれの製造方法などを解説してくれました。
ジンのブレンドで感覚が研ぎ澄まされているせいか、それぞれのジンの方向性が手に取るように分かります。
「私がここで言いたかったのは、ビーフィーターが優れている、ということではありません」とペイン氏。
「ビーフィーターはもちろん素晴らしいジンなのですが(笑)、それぞれのジンにはそれぞれのスタイルがあり、ジンには多様性があるということが言いたかったのです。皆さんもたくさんの引き出しを用意して、お客さまに素晴らしいジンの世界を伝えてください」
【vol.2】では、「ジンカレッジ」の第二部の模様をお届けします!