
SPECIAL FEATURE特別取材
NY「BAR GOTO」のケンタさんが語る
いいちこ焼酎カクテルのこれから!
[vol.01] -
iichiko Night@The Ritz-Carlton Tokyo
#Special Feature
文:Drink Planet編集部 Photos by Shiho Akiyama
2024年8月17日(土)、ザ・リッツ・カールトン東京 45 階の「ザ・バー」において「バーテンダーテイクオーバー」が開催されました。スポンサードしたのは、本格麦焼酎いいちこ。ゲストはNY「BAR GOTO」のオーナーバーテンダー、ケンタ(後藤健太)さん。日米バー文化の懸け橋となってきたケンタさんが、焼酎の“ウマミ”を活かしたオリジナル焼酎カクテルを披露してくれました!
米国限定でリリースされた「iichiko彩天」。
アメリカの焼酎ブームの立役者が登場!
ザ・リッツ・カールトン東京45階の「ザ・バー」で不定期に開催される、一夜限りの人気ゲストイベント「バーテンダー テイクオーバー」。
この夏のスペシャルゲストとして招かれたのは、NY「BAR GOTO」のケンタ(後藤健太)さんでした。
ケンタさんはバーテンダーとして、NYで20年のキャリアを積み、名店「PEGU CLUB」在籍時の2011年にはTales of the Cocktail Spirited Awardsにおいて「U.S. Bartender of the Year」を受賞しています。
その時のDrink Planetの記事はこちら! 懐かしいですね~
2015年7月にはロウワーイーストサイド地区に、自身の名を冠する「BAR GOTO」をオープン。
その時のDrink Planetの記事はこちら! こちらも懐かしい~
「BAR GOTO」はアメリカのクラシックカクテルに、ダシの旨味など、日本の素材や味わいを融合させたカクテルで一躍名を馳せ、アメリカのバーシーンにちょっとした衝撃を与えました。
特に焼酎カクテルは「BAR GOTO」の真骨頂。
ケンタさんは紛れもなく、アメリカの焼酎ブームの立役者のひとり、なんです。
ちなみに2020年にはブルックリン地区に2号店となる「BAR GOTO NIBAN」を出店するほど大人気です。
会場となったのは、ザ・リッツ・カールトン東京45階の「ザ・バー」。
Umamiに続いて、Koji(麹)も世界共通語に!
ゲストイベント「バーテンダー テイクオーバー」の前日、Drink Planet編集部はケンタさんに直接インタビューする貴重な機会をいただきました。
まず、ケンタさんはアメリカにおける焼酎の立ち位置をこんな風に語ってくれました。
「アメリカでは、飲食やアニメのみならず、日本のカルチャーがずっとトレンドです。20年前や10年前と比べて、比較にならないほど日本文化への理解が深まっています。Sushi、Ramen、Sakeほどではありませんが、焼酎の認知度も確実に高まっています」
「特にバーシーンにおける焼酎の認知度は驚くべきものがあります。2019年に米国限定でアルコール度数43%の『iichiko彩天』がリリースされましたが、私の肌感覚でいうと、今やほとんどのカクテルバーに『iichiko彩天』が置いてあると言ってもいいくらいです」
「iichiko彩天」が発売された当初、アメリカのバーテンダーの反応はどのようなものだったのでしょうか?
「アメリカだけでなく、スピリッツ(蒸留酒)=ABV40度以上、というのが世界基準。25度前後の焼酎ですと、それはスピリッツじゃない、という感覚です。ですから『iichiko彩天』のリリースをきっかけに、焼酎がジャパニーズスピリッツとして徐々に認められつつある段階です」
「それからUmami(旨味)に続いて、Koji(麹)という言葉も少しずつ広まっています。バーテンダーやシェフであれば、麹の存在はおそらく知っているはず。アメリカ人に麴を説明するときに『ウマミのStarter(もと)』というと、みんな理解を示してしてくれます。『iichiko彩天』に関しては、そのウマミのStarterである麹のスピリッツ、という風に紹介しています」
「今後、Koji(麹)という言葉がさらに広まれば、自ずと焼酎の認知度も上がっていくのではないでしょうか」
「iichiko彩天」を使用した「KOJI-SAN」。
「iichiko彩天」にはSavory系か、コーヒー&ナッツ系を!
そんなケンタさんは、今回のイベントで、いいちこ焼酎を使用した「KOJI-SAN」「UMAMI MARY」「JASMINE&PLUM」「IICHIKO OLD-FASHIONED」という4種のオリジナルカクテルを披露してくれました。
使用したいいちこ焼酎は「iichiko彩天」「いいちこシルエット」「いいちこスペシャル」です。
「KOJI-SAN」は“麹”と日本人男性によくある名前の“コウジさん”を掛けたお茶目なネーミング。
「BAR GOTO」でも非常に人気の高いカクテルで、一度メニューから外したら、逆にゲストからオーダーが殺到した一杯だそうです。
(現在はオンメニュー!)
ベースは麹の味わいを最大限に引き出した「iichiko彩天」。
これにスモーキーなメスカルと、塩味が効いたセロリジュースを合わせ、コクのある新感覚のマルガリータのようなサワーカクテルに仕上げています(麹のキレイな味わいだけがより際立っていた!)。
「『iichiko彩天』はアルコール度数が43度あり、パワフルで濃厚。英語で『Savory』や『Earthy』と表現される独特のウマミやコクがあります。『iichiko彩天』に合わせる材料としては、セロリやシイタケなど同じSavory系のものが相性抜群ですね。あるいはコーヒー&ナッツ系も合うと思います」
一方「UMAMI MARY」はアメリカで老若男女に幅広く愛されるブラッディメアリーの旨味ツイスト。
ベースは、カツオ節や焼きあご、昆布のダシをインフューズした「いいちこシルエット」。
これにトマトジュースを合わせ、さらに「iichiko彩天」を加えることでボリューム感と麹の深みをプラスしています。
「『いいちこシルエット』は繊細な味わいなので、ダシの旨味が乗りやすい。その反面、アルコール度数が低く、カクテル全体の輪郭がぼやけてしまうので、『iichiko彩天』でアルコールのボリューム感を補っています。さらに『iichiko彩天』の麹の旨味を上乗せするイメージです」
アメリカンカクテルの王道を日本のダシの旨味でアレンジした「UMAMI MARY」も、「BAR GOTO」ならではの日米クロスオーバーの一杯です。
「いいちこスペシャル」がベースの「IICHIKO OLD-FASHIONED」。
チューハイという言葉も世界共通語に!?
「JASMINE&PLUM」もベースとなるのは、繊細でフローラルな「いいちこシルエット」。
「いいちこシルエット」をジャスミン茶で煎じ、フランス・アルザス産のミラベル(黄モモのオードヴィ)と国産梅酒を少し加え、ソーダで割ったアペリティフです。
一言で表現するなら、チューハイのアップグレード版。
「最初の一杯として、ミックスドドリンクのひとつとして、アメリカで“チューハイ”という言葉が定着すれば、焼酎の人気と認知度がグッと高まると感じています。アメリカのマーケットに対して、チューハイは非常に面白いアプローチだと思います。この『JASMINE&PLUM』は『BAR GOTO』なりのチューハイカクテルです」
「IICHIKO OLD-FASHIONED」はその名の通り、オールドファッションドの焼酎ツイスト。
長期樽熟成させた「いいちこスペシャル」をベースに、少量のバーボンとフレンチカルバドスを加え、やわらかく上品な「いいちこスペシャル」の味わいを一杯のカクテルへと昇華させています。
(ボリューム感を補うために、カルバドスを使うセンスに脱帽!)
「いいちこ焼酎の素晴らしさを伝えるためには、オールドファッションドやブラッディメアリーのような、アメリカの方々になじみの深い、わかりやすいカクテルを経由するのが一番の近道だと思います。『iichiko彩天』はもちろんですが、25度前後の焼酎をどうカクテルに仕上げるかが、バーテンダーの腕の見せ所なのではないでしょうか」
日本人バーテンダーとしてNY、世界を舞台に活躍するケンタさん。
焼酎は今がチャンス!
「iichiko彩天」はアメリカでの高評価を受けて、現在はオーストラリアとシンガポールでも展開中。
近いうちに、日本でも「iichiko彩天」がリリースされるかも、と噂されています。
また日本のバーを訪れる海外からのゲストが増え続けるなか、アメリカをはじめ海外のゲストに対して、焼酎をどのように発信していったらいいのでしょうか?
「ひとつ間違いなく言えることは、訪日外国人はジャパニーズスピリッツである焼酎を飲んでみたいと思っている、ということです」
「先ほども申し上げましたが、焼酎はウマミのStarterである麹のスピリッツ。日本の発酵文化の原点のひとつです」
「日本には味噌があり、カツオ節があり、ぬか漬けがあり、さまざまなダシがあり、まさにウマミ天国ですよね? ウマミという言葉がこれだけ世界的に広まっている今は、焼酎にとっても大チャンス。日本のバーテンダーの方々にとっても、そのクリエイティビティを発揮するチャンスだと思います」
「日本人バーテンダーとして、焼酎の可能性を改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか」
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